はじめに
私たちはエジプトのイスマイリアで分譲マンションを購入しました。名義はエジプト人の夫のみで、私は外国人配偶者という立場です。
エジプトで家を購入する場合、「外国人でも不動産は持てるのか?」「もしものとき配偶者は住み続けられるのか?」と不安に思う方もいると思います。
この記事では、実際にイスマイリアで物件を探し、購入し、契約を進めた流れと、外国人配偶者として気になった終身居住権について、実体験をもとにまとめました。
うちのリビングの写真です。こんな感じで仕上がりました。


イスマイリアでの不動産の探し方
私たちは以下の方法で物件を探しました。
- Facebookの不動産情報
エジプトの不動産市場は、日本のような大手ポータルサイトが充実しているわけではなく、Facebookグループの「不動産掲示板」で情報を見て、電話(またはWhatsApp)するというのが、エジプトの不動産探しでは標準的なやり方でした。
この時点で、アラビア語が堪能でないと探しづらいと思いました。
Facebookの投稿にはたいてい部屋の写真、不動産のあるエリア、電話番号が書いてあって、コメントするより電話が早い文化です。コメントしても「電話して」と返信されているのもよく見かけました。
販売価格は記載されていることが少なくて、電話して初めてわかることが多かったです。
価格を書かないのは電話させるための営業テクニックなのかなと思いました。
夫は電話して金額と正確な場所を聞いて、占有面積の再確認、エレベーターの有無などを聞き出してから、内見に行くか毎回判断していました。
Facebookの電話の相手は、オーナーが直接出ることもありますし、仲介業者の電話につながることもあります。
その後、実際に内見を重ね、建物の状態や周辺環境を確認しました。エジプトでは完成前の販売も多いですが、私たちはリフォーム中の中古物件を購入しました。
例えば、完成前のマンションの内見はこんな感じです。この状態で購入して自分たちで各職人さんたちを探して完成させるので好きにデザインできますが、マンションの購入金額の他にお金と時間がかかります。




Facebookの不動産情報の仲介業者とは
日本の宅建業者とは別物です。
- 一応「職業として」やっている
- 小さな事務所 or 看板だけの店が多い
- 物件を複数抱えている
【できること】
- 内見アレンジ
- オーナーとの価格交渉
- 書類集めを手伝うフリはする
【できないこと(重要)】
- 法的保証 ❌
- 権利関係の責任 ❌
- トラブル時の補償 ❌
【手数料感覚】
- 売買価格の 1〜2%(イスマイリアは低め)
- 「後出し」で言ってくることも多い
- 手数料も交渉可能。
夫は最初、手数料は2%と言われたのを1%に交渉し、さらにマイナス2,500EGP を再交渉していました。
仲介人のアハメドはいい人でしたし、特に問題があったわけではないのですが、そんな高額な手数料を払うほど仕事してないよね。というのが正直な感想です。
実際の購入の流れ
① 内見と価格交渉
気に入った物件を見つけたあと、価格交渉を行いました。エジプトでは価格交渉が一般的で、提示価格からの調整が行われることもあります。
よくあったのが内見後に「購入を希望する場合は明後日までに電話してね(または電話しますね)」という流れです。価格交渉をすることを踏まえて、その場で即決しないと夫に言われました。
一括なのかローンなのか、ローンなら何回ローンなのかによっても価格交渉が変わってくるそうで、当然ですが、一括払いが一番交渉しやすく有利な条件に持っていきやすいです。
電話で内見の日時の約束をして、約束の時間に物件に行っても、オーナーも仲介業者も時間とおりに来ることが少ないので、内見には時間がかかります。
16時に約束してオーナーが16時40分くらいに現れることも普通です。
また、オーナーが息子さんと連れ立って来て、まだ未完成のマンションでエレベーターが未設置なので5階まで上がるのが大変とのことで、息子さんが部屋を案内してくれたことがありました。
その時にマンションの部屋を見ながら息子さんから聞いた販売価格と地上階に戻ってお父さんの方が言ってきた販売価格が違っていて、お父さんには息子より50万EGP(約160万円)ほど多く言われました。
なんとなく雰囲気から、私が外国人なので吊り上げてきたような感じがして、これは価格交渉をする価値のない相手だと、こちらから断った物件が1件だけあります。
② 購入契約
契約時に売主との合意内容を確認しました。契約書はアラビア語が中心で、内容の理解が重要です。
契約の前には必ず弁護士に依頼して契約書の内容、登記状況などを確認する必要があります。
特に登記状況は必ず弁護士チェックが必要です。登記費用を支払わずに登記が前住民より前の名義のまま住んでいて、そのまま販売に出されていたり、そのまま相続で知らない人の所有者になっていたり、登記情報が曖昧なままなのを隠すために転売されているケースもあります。
そのまま契約してしまうと、購入後に名義を変更できないなどのトラブルにつながると聞きました。
③ 支払い方法
私たちの場合は現金一括払いでしたが、支払いは2回に分かれました。支払い方法と回数も交渉しました。
- 購入希望を伝えた時に半額を支払い
- 前オーナーのリフォーム完了後、鍵の引き渡し時に残り半額を支払い
2回目はリフォーム完了後の支払いだったため、状態を確認してから残金を支払えたのは安心材料でした。リフォームの終了時期が引き延ばされず、ダラダラ言い訳を言われることもなくスムーズに鍵の引き渡しをしてもらえました。
支払いが2回に分かれたので、契約書も2枚に分かれています。
1枚目は支払い方法と金額、支払い回数に関するもの、2枚目は正式な売買契約書です。1枚目は最初の支払い時に交わし、鍵の引き渡し時に2枚目にサインしました。
2回目の支払い時に現金と振り込みに分けて支払って欲しいと売主から依頼があったので、札束を持参して契約の場に行きました。不動産取引税支払いのために銀行に行く手間を省くためと聞きました。
④ 鍵の引き渡し
最終確認後、鍵を受け取り、正式に入居しました。
鍵の引き渡し時にガスのプリペイドカード、電気のプリペイドカードをもらい、各契約の名義の変更は前オーナーがしてくれ、ガスと電気の名義変更の手数料も前オーナーが支払ってくれました。(契約書どおり)
⑤ 不動産名義の変更手続き
正式な売買契約書にサイン後、すぐに売主が政府機関に不動産の売買契約書を提出し、2ヶ月から3ヶ月の審査を得て、不動産の名義を変更する登記手続きをします。
手数料は、売買契約書提出時の不動産取引税は売主が支払い、不動産名義変更の際の登録・登記手数料は買主が支払うことが一般的です。
しかし、契約書によるのでどちらが何を支払うのかは、しっかり確認が必要です。
税金や手数料は売買価格を元に計算されます。
売買契約が成立していれば、不動産名義の変更前に居住可能です。
内見時に確認したこと
内見の時には、間取りの他に次のようなことも確認しました!
行ってみるとFacebook情報と違うこともあったので、細かくチェックしました。
内見って後で気になることがあっても日を開けてもう一度ってなりにくいですよね。私は手帳にチェックリストを作って内見に行きました。
チェックリスト欄の下に確認後すぐに書いた所感も後で見直す時に参考になりました。
- 内見物件の周辺の雰囲気
- 周辺に停まっている車の種類や停め方
- 都市ガスかどうか
- 水道の水の強さ、臭い、色
- 電気メーターの種類ープリペイド式なのか集金制か
- 配線の状況
- バワーブの有無(管理費の有無)
- (バワーブがいない場合)マンション内の共有部のゴミや管理状況と管理方法
- 築年数
- 日当たり
- エレベーターの稼働状況→停電時に止まった時のことを考え階段の幅や暗さも
- 外から見て建物のヒビ、傾きがないか
- 騒音→1階にカフェや商店が入っていないか、モスクとの距離
- 雨漏りの跡の有無→カビや塗装の剥がれ
- ドアの歪み
- 未払いの電気代、水道代の有無
- 売主の人柄
- コプト(クリスチャン)や外国人に対するマンション住民や売主の反応
- どんな人がマンションに住んでいるのか
- 占有エリアの範囲
- 通信状況
① マンションの周りに止まっている車の種類や綺麗さ、車の停め方でどんなモラルの人か、どんな経済状況の人が多く住んでいるのかある程度判断することができます。
売主に聞いて確認もしますが、もし運よくマンションの住民と出会えたなら、どんな人が住んでいるのかも確認できるのでラッキーです。
② 水は実際に出して確認するのがベストです。小石が蛇口から出てくることも珍しくはありません。
③ マンション内の共有部分にゴミが散乱している場合は、マンションに住んでいる人のモラルが低く、治安が悪い可能性があります。砂埃はある程度は仕方ないです。
④ 自宅内で電話やネットが繋がりにくいと、地味にストレスですので内見時にも電話してみたりネットに繋いでみたりしました。
インターネットはWifiを導入すれば解決しますが、日本より停電が多く停電時にはWifi機器も止まりますし、ベランダでしか電話の電波が掴めなかったりすると住んでからめんどくさいです。
⑤ エジプトの家は、窓を小さくして日差しや砂埃があまり入らないように、でも風や光が少しは入るようにコの字形やロの字形の建物が多く、結果暗くて日中も電気をつける必要があり、冬は家の中でダウンを着て過ごすほど寒いけど夏は快適な家があります。
夏は日差しに当たると暑くて痛いですが湿気がないので、日差しを避ければ過ごしやすくなるという長年の知恵の結晶の構造なのだと思いますが、好みは分かれるかなと思います。
⑥ 停電時に階段を歩いて上がったり、エレベーターに閉じ込めにあった話をチラホラ聞きます。停電はコントロールできないので、せめて階段が使いやすいか確認しました。
⑦ リフォームされて壁のペンキが塗り直されてしまうと、壁の雨漏りの跡やカビの跡などは見えなくなってしまいます。内見時がチャンスです。
⑧ ドアは全て開閉してみる方がいいです。立派なドアでも木枠が歪んでいたり鍵が見せかけだったりして閉まらない、開けられないドアが存在していないか確認が必要です。
⑨ 1階にカフェや商店が入っている場合、便利そうに思えますが実際には夜の2時ごろまで営業しているのでうるさいですし、外国人は目立ちますので店の客に一方的に住んでいるフロアなどを特定される可能性もあり、防犯上も良くないと思いました。
⑩ 不動産売買は大きな買い物ですので、信頼できる人と取引きできるのがベストです。
売主と買主の間にいわゆる日本のような不動産屋さんが介入しないので、交渉相手の人柄は大事ですし最初の直感は結構当てになるのではないかなと思います。
売買契約成立までの短い付き合いですが、大きなお金の動きと大事な手続きが含まれますので、余計に慎重に行きたいところです。
実際に内見しているマンションに住んでいる自分を想像しながら、一人で買い物に行くことやこの間取りだったらこういう風にこの部屋を使おうかなとか色々考えながら内見するのは楽しかったです。
エリアごとに住んでいる人がはっきり分かれるエジプト
どうせ約束の時間どおりに内見先に行っても、誰も時間通りに来ないので周辺を歩いてみたり、周辺の車の量を確認してみたり、周りにどんな店があって、どんな人たちが歩いているのか見てまわっていました。
エジプトではエリアごとに特色があって、どういう人たちが住んでいるのかある程度わかれています。
色々な職人さんやその日暮らしの市場や露天商店の販売人が多い、色々な地域から来た人たちが混ざって暮らしている超ローカルエリア、イスマイリアに昔から住んでいた裕福な人達のエリア、大学の先生や医師、弁護士などが多く住む地域などに分かれています。
どこのエリアがいいかは価値観によりますが、それぞれのエリアは離れているわけではなく隣接していますので、自分の住みやすいエリアに住んで他のエリアに出かけていくのが私たちの生活には合っているかなと思い、街の中心地のマンションを購入しました。
おかげさまで同じマンションに住んでいる人は、落ち着きのあるきちんと話しのできる人たちばかりで住みやすいです。
コンパウンドも検討しましたが、実際に内見に行ってみると綺麗でセキュリティもあって良かったのですが、新しいコンパウンドは意外と買い物できる場所が少なく、周辺の開発が間に合っていないなと感じたことと、車を持っていることが前提な場所にあったこと、海の目の前の場所は塩害が建物に見られたので、やめました。
あまりに超ローカルなエリアは、エジプトらしさが感じられて賑やかで家々から聞こえてくる声や料理の匂いや家族で工夫して支え合って暮らす様子が垣間見えて面白いとは思いますが、一時滞在なら住めるかなという感想を持っています。
超ローカルエリアには貧乏すぎて先のことが考えられないのか、学校に行けなかったのか話しが通じないモラルの低い変な人たちもいます。
面倒見のいい優しい人も大勢いますが、ドラッグに手を出していそうな若者や、通りで突然大声を出したりする人たちも混ざっている場所での暮らしは、私にはストレスです。
購入するなら、自分が嫌なことが少ないところを目指すのがおすすめです。
鍵引き渡し前のリフォーム工事と家具の採寸
前オーナーはリフォームして販売予定で、私たちはそのリフォーム工事が始まったタイミングで内見しました。そのため、購入するなら私の好みにリフォームすると言ってもらえました。
希望の壁の色を聞いてくれて、家事室兼納戸を作るための新たな壁の設置、洗濯機の場所をキッチンから家事室に移動するための排水管と水道管の延長工事もしてくれました。
そのため、気がついたら、リフォーム工事の進捗確認を私たちが直接する流れになってしまい、鍵の引渡しまでの間2、3日に1回はマンションに通うことになりました。
購入意思の伝達から鍵の引渡しまでちょうど1ヶ月でした。夫が仕事をしていたらこのペースでの完成と引越しは難しかったと思います。
前オーナーのリフォーム計画に含まれていなかった、便器や洗面台の交換は自分たちで購入したものを手配し、取り付けてもらったり、家事室を作るために洗濯機用の排水管と水道管を床を掘って延長するために掘った床の上に乗せる大理石の手配と大理石の専門の職人さんに来てもらっての工事もリフォーム工事と同時進行で行いました。
そのほかに、家具屋さんをいくつか巡ってみて、ダイニングテーブルやソファーセットが全て大きすぎて、椅子の数も多くマンションに合っていないし、デザインも気にいるものがなかったので、家具は全てオーダーメイドにすることにし、家具職人に来てもらって部屋の採寸をしてもらったりしました。鍵引渡し前に家具作りを始めてもらいました。
途中で自分たちで確認できたり希望をリフォームの業者さんに直接伝えられるのは、効率がいいですが、鍵をまだもらっていないので、リフォームの業者の親方に「何日の何時に工事したいんだけど、その日は工事してますか?鍵を開けられますか?」と毎回調整の電話をするのが地味にめんどくさかったです。
その上、毎回調整したのに誰も時間どおりに来ませんでした。
排水管と水道管を延長してもらっている様子です。床を掘ったので、この上に大理石を載せました。
壁はパテで埋めてペンキを塗って完成させてありました。工事途中は外からの光が漏れています。この様子を見て断熱材などが入っていないただのレンガの家であることに改めて気が付きました。




同じタイルを探すのが難しかったため、全然違う色の大理石で蓋をすることになった床と壁とパテで埋められただけの状態の家事室兼納戸の壁の写真です。




鍵引き渡し後の工事
鍵引渡し後は家の中を整えるための業者さんに何人も来てもらいました。
約1週間に渡って、集中して色々な業者さんに来てもらい同時に複数箇所で工事してもらいました。
- 換気扇のコンセントや給湯器のコンセントが未完成に加えて届かない場所だったので、電気屋さん
- トイレの取り付け方が間違っていて水道の栓を開けただけで床が水浸しになったので、トイレ取り付けをやり直すために親戚の水道屋さん
- TVを壁掛けにするために壁にドリルで壁を開けて設置し、アンテナも設置してくれるTVの工事の人
- メーカー認定の人に取り付けてもらわないと給湯器の5年保証がなくなるとのことで給湯器取り付けの業者さん
- ガス工事の業者さん
- インターネットの開設のための業者さん、
- ハウスクリーニング(と称した普通の家事代行の子連れ主婦マダム)
- オーダーメイドのカーテン屋さん
- キッチンのシンク下の棚をオーダーメイドするための、アルミニウムの専門店の人
- 大型家電やベッドのマットレスを11階まで上げるための大型クレーン
- クレーンでの搬入に製作が間に合わなかった家具の搬入と組み立てのために家具職人さん
- 玄関の鍵の交換とバスルームの扉が閉まらないので修理してもらうための鍵屋さん
外国人配偶者の終身居住権について
マンションの名義は夫のみであるため、私が特に気になったのは「もしもの場合に住み続けられるのか」という点でした。
私自身は子供を産んでいないのですが、夫は前妻との子供が一人いるため、夫に何かあった時には私の相続分は12.5%です。残りは子供が相続します。今のところその子と私の関係は悪くありませんが、まだ若く将来ずっといい関係でいられるかは未知数です。
仮に夫にも子供がいない場合でも妻の相続分は25%で、75%は夫の親族が相続することになり、どちらにしろエジプトでは妻の相続分は少ないです。
もし相続後、子供にこの自宅マンションを賃貸に出したいとか販売したいと言われたら、私は住むところがなくなります。将来の関係性までは先読みすることは難しいです。
そんな中、外国人配偶者でも終身居住権を設定できると知り、弁護士に相談しました。
終身居住権が設定されていれば、他の相続人に追い出されることなく安心して住み続けることができます。
しかし、弁護士からエジプトに私が2年以上居住してから設定した方がいいとアドバイスがあり、後から登記事項変更の形で設定することもできるとのことでしたので、購入と同時には設定しませんでした。
売買契約書に終身居住権について加筆し、その売買契約書をもとに登記事項に記入してもらうことを想定していたので、不動産売買の際に依頼した弁護士にそのまま相談しました。
この点は生前対策に関して重要なポイントです。
代替策としての遺言書作成
終身居住権をすぐに設定できなかったため、夫は私の終身居住権設定までの間の予備的措置として遺言書を作成しました。
これは万が一の際に私が住み続けられるようにするための措置です。制度や法解釈はケースによって異なる可能性がありますが、少なくとも心理的な安心感は大きくなりました。
遺言執行人には頭が良く一連の手続きを手伝ってくれる能力のある、一番しっかりした姪を指定しました。
エジプトで不動産を購入する場合、名義や相続に関する対策を事前に考えておくことはとても重要だと感じました。
色々調べて相談しましたが、法定相続後に妻が守られることは難しそうです。
一つ、あっ!と思ったのが遺言書の私の名前の横に私のパスポートナンバーが記入されていたことです。
ご存知のとおりパスポートは更新するとパスポート番号が新しくなってしまうので、期限切れのパスポートも失くさずに必ず全て持っておく必要があることに気が付きました。
過去のパスポートも全て失くさずに、大事に取っておくことが大事
今回夫単独名義でマンションを購入した理由と弁護士のアドバイス
今回の不動産購入に関し、弁護士から共同名義ではなく夫一人の名義での購入と私の終身居住権の設定には2年待った方がいいというアドバイスがありました。
所有権移転、usufruct(使用収益権)設定(つまり終身居住権の設定)のような権利登記の実務では滞在ビザの安定性、居住実績、外貨持込証明、外国人登録状況などを審査されることがあります。
私の場合は、婚姻期間は11年ですが、エジプトに移住してきたばかりで居住実績はなく、結婚ビザも取得したばかりの1年更新で「新規購入」ではなく「既存エジプト人所有物件に権利を設定する」ケースです。
実は法律上明確な「2年」という条文はありませんが、私の条件で今すぐ共同名義での購入や終身居住権を登記しようとすると、外国人が新たに物権を持つことに行政側が慎重になる可能性があり、入国管理・居住安定性、結婚ビザの更新履歴、永住的居住意思の確認など書類審査で止まる可能性や追加証明を求められる可能性、不許可リスクがあるので待った方がいいという実務上の判断からのアドバイスでした。
弁護士は「今やって却下されるより、確実に通る時期まで待つ」というリスク回避型アドバイスをしてくれたのだと理解しました。
首都カイロやニューカイロより地方都市の方が外国人の不動産取得に関しては実務は保守的で厳しめということもちらっと聞きました。
結婚して何年ではなく、実際にエジプトに移住したところから安定性が審査されるという学びがありました。
エジプトにおける外国人の不動産取得制限
エジプトでは外国人による不動産権利の取得に制限があり、実務上、長期滞在実績を求められることがあります。基本法はLaw No. 230 of 1996(外国人の不動産取得に関する法律)この法律がベースになっています。
① 外国人は購入できる?
- 可能だけど条件付き
② 主な制限
■ 1人につき最大2物件まで
- 居住用に限る
- 投資目的の大量保有は不可
■ 面積制限
- 1物件あたり最大4,000㎡まで
■ 5年間の転売禁止
- 購入後5年間は原則売却不可(首相許可があれば例外あり)
■ 土地のみの取得は厳しい
- 建物付き物件は比較的容易。更地は難易度が上がる。
③ 地域による例外
- 北シナイ
- 南シナイ(Sharm El-Sheikhなど)
- 国境エリア
特に上記場所は別法でより厳しい制限があります。南シナイでは「所有権」ではなく99年リース形式になることが多く、スエズ運河の両岸近くの物件も99年リース形式になっていて、エジプト人でも身分審査があるそうです。
④外国人向け投資物件は?
たくさんあります。たとえば:
- New Urban Communities Authority 開発エリア
- New Administrative Capital
- New Cairo
これらは外国人購入を前提に販売していて、デベロッパー経由で購入し、登記も可能という仕組みになっています。
エジプトで不動産購入を考える外国人配偶者へ
実際に購入して感じたポイントは以下です。
- 契約内容をしっかり理解すること
- 支払い条件を明確にすること
- 相続や居住権について事前に確認すること
- 可能であれば法的アドバイスを受けること
エジプトの不動産購入は日本とは大きく異なりますが、事前に情報を集めておけば不安を減らすことができます。
私達夫婦は、将来的に自宅マンションには終身居住権の設定をし、共同名義に変更をするつもりでいます。私のエジプトの銀行口座にも1年分くらいの生活費に相当する額を移動しておく予定です。
まとめ
イスマイリアで分譲マンションを購入した経験から、物件探しから契約、支払い、そして外国人配偶者としての不安対策まで、多くの学びがありました。
これからエジプトで不動産購入を検討している方の参考になれば幸いです。
※この記事は筆者のエジプトでの実体験をもとに作成しています。













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